コリントの信徒への手紙 一 15章20~34節 牧師 常廣 澄子 およそ30歳頃になられたイエスが、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」(マルコによる福音書1章15節)と、神の国の訪れを携えて福音伝道に立ち上がられたように、復活の主から御霊を受けた弟子たちは、一つの確固たるメッセージを持って立ち上がりました。それは「あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。」(使徒言行録2章36節)ということです。それはイエス・キリストの十字架と復活の福音でした。それを信じる信仰の力が、信じる者たちに驚くべき出来事を引き起こしました。先週、使徒言行録9章で読んだ、ペトロがリダとヤッファで行った素晴らしい出来事は、その一つです。
2025年01月

コリントの信徒への手紙一
キリストはすべての支配者

使徒言行録
タビタ、起きなさい
使徒言行録 9章32~43節 牧師 常廣 澄子 前回はキリスト教徒を迫害していたサウロが、復活のイエスに出会ってキリストを信じる者へと変えられたことを読みました。そしてその前には、フィリポやペトロたちがサマリアで伝道したことが書かれていました。今朝はまたそのペトロの話に戻ります。 フィリポやペトロたちだけでなく、聖霊を受けた弟子たちは、主イエスが説かれた救いの福音を携えてパレスチナの各地に伝道していきましたが、その働きはどんどん進展して地中海に面した海岸地方にも広がっていきました。そして北の方にあるカイザリヤや、さらにはアンテオケにまでも福音が伝道されていって各地に根を下ろしていったのです。

ルカによる福音書
小事にも忠実に
ルカによる福音書 16章1~18節 牧師 永田 邦夫 2025年に入りまして、第二主日の礼拝です。引き続きルカによる福音書からのメッセージをご一緒にお聞きして参りましょう。 1節の冒頭は「イエスは、弟子たちにも次のように言われた。」と始まっています。この記述から、内容的には直前の15章から続いていることを表していますので、先にそれを確認しておきましょう。 15章の冒頭1節には、「徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄って来た。」とあり、これに対して、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を漏らしました。

ヨハネの黙示録
悪の力の敗北
ヨハネの黙示録 20章1~10節 牧師 常廣 澄子 皆さま、新年、明けましておめでとうございます。私たちは先月、クリスマスを迎え、主イエスの御降誕をお祝いしました。本日はそのインマヌエルの主と共に新しい年を迎えて新年の礼拝に与っております。心から感謝いたします。しかし今なお世界の各地には、国と国、民族と民族の争いが止むことなく続き、毎日のように多くの尊い命が失われています。人々の悲しみ苦しみ嘆きの声が響いています。人々は平和な日常を生きたいのに、それを破壊する人間たちの罪深い有様があります。いったいいつになったら平和な世界が実現するのでしょうか。いったい人間はどうしてこのように憎み合ったり、殺し合ったりしているのでしょうか。それは、これまで黙示録を通して読んできたことによると、今のこの世界が、天から落とされた巨大な竜(年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わす者:12章9節参照)によって支配されているからだということでした。