ローマの信徒への手紙

新しい生活

イースターが過ぎましたこの時期も、わたしたちはコロナウイルスの感染予防のために、家庭礼拝を余儀なくされています。どうか皆さまの上に主の豊かなお守りと祝福がありますようにお祈りいたします。 ローマ書からの「恵みのみ言葉」も、12章に入って参りました。この12章から15章までは、キリストの福音を信じて受け入れた者が、キリスト者として日々どのように生きて行ったらよいか、いわば実践的な生活のことが記されています。そしてここに至る前の部分(12章より以前)は、教え、すなわち教理の部分です。わたしたちは聖書に聞き、そしてこれを信じて受け入れ、日々の生活で、これを生かしながら生きて行く、これが信仰生活です。ですから「教理」と「実践」は切っても切れない関係にあるのです。

すべての人への憐れみ

ローマの信徒への手紙の9章~11章は、“全人類の救い”を大きなテーマにしておりまして、11章25-26節「すなわち、一部のイスラエル人がかたくなになったのは、異邦人全体が救いに達するまでであり、こうして全イスラエルが救われるということです。」はその結論に当たります。 そして、神に先に選ばれたイスラエル、および異邦人が、御子イエス・キリストを通して与えられた福音に、どのように応えてきたか、また一方、神はその両者すなわち、イスラエルと異邦人をどのように救いへと導いて来られたか、これが全体の内容です。 では結論に至るまでの全体の要点を先に確認しておきましょう。9章の冒頭で著者パウロは、心の内にある同胞イスラエルの現状を思い、心の痛みを吐露しつつも、偉大な神への賛美で始まり、そして、11章の最後も神賛美で終わっています。要するに“全人類の救い”は人々には計り知れない神の大きな計画の中にあって、恵みと憐れみに満ちた出来事なのです。では要点を見ていきます。