ドミティアヌスが皇帝崇拝を強要し、キリストを信じる者たちはいろいろな面で迫害を受けました。敢然とそれに立ち向かった者たちは当然処罰されたり、殉教したりしたのです。そういう厳しい状況の中で、ヨハネは、「(9節)わたしは、あなたがたの兄弟であり、共にイエスと結ばれて、その苦難、支配、忍耐にあずかっているヨハネである。」と自己紹介しています。まず、自分は、アジアの諸教会にいる主を信じる者たちの仲間であり兄弟であることを言い表し、苦しみの中で忍耐しているのはわたしもあなた方と同じですと言っているのです。「その苦難、支配、忍耐にあずかっているヨハネである」というところは、「私ヨハネは、主を信じるがゆえに今苦難を受けています。しかしそれは主イエスのお苦しみの一端に与かっていることであり、私は神のご支配の中にいます。私はイエスによって備えられた神の国の民としていただいたことを喜び、その希望によって今ここで忍耐をもって過ごしているのです。」ということではないでしょうか。
