新約聖書

十二使徒の選びと癒し

ルカ福音書は、本日箇所の冒頭の12節に、「そのころ、イエスは祈るために山に行き、神に祈って夜を明かされた。」とあります。なお、本日箇所の「十二使徒選び」は、5章から6章にかけて、ファリサイ派の人々を中心に始まった、“断食論争”に続く“安息日論争”の後を受け、緊迫した状況の中での十二使徒選びであり、またそれは“伝道の足場固め”でもありました。

神の真実

「コリントの信徒への手紙」は、パウロがコリントにある教会に宛てて書いたものです。このコリント教会は、パウロが第二回伝道旅行の時にこの地を訪れ、約一年半程滞在した時につくった教会です(使徒言行録18章参照)。パウロはその後エフェソに移りましたが、そこへコリントからやって来たクロエの家の人たちから、コリント教会の中で争いがあると聞いたものですから(1章11-12節参照)驚いて早速この手紙を書いているのです。パウロはコリントを去ってからも、この教会のことを思って祈り、心を砕いて関わっているのです。

自分を鍛える

テモテは、ユダヤ人の母とギリシア人の父の家庭に生まれた人です。彼はキリスト者であった祖母ロイスと母エウニケの信仰を受け継いでキリストへの信仰を持つようになりました(テモテへの手紙二1章5節)。そしてパウロが二回目の伝道旅行でリストラを訪れた時に、そこの教会で大変評判の良かったテモテに会って、伝道旅行に同伴するようになったのです(使徒言行録16章1〜3節)。

手の萎えた人のいやし

「ある日、イエスが教えておられるとき、長年、中風を患っていた人を、仲間内で床に乗せイエスさまの許に運んで来ましたが、家の中に入ることができず、屋根から吊り降ろして、イエスの前に辿り着いたのをイエスはご覧になって、『人よ、あなたの罪は赦された』と言われたことで、一悶着(ひともんちゃく)はあったものの、更に、イエスさまの癒しと、励ましのお言葉によって、その中風の人が癒されたことに、人々は皆大変驚き、神を賛美し始めた」と、5章17~26節にありました。

苦難の中の慰め

今朝お読みした個所は、新共同訳聖書では「苦難と感謝」というタイトルになっていますが、ここには「苦難」と「慰め」という言葉が何度も出てきます。コリントの信徒への手紙はパウロによって書かれた手紙ですので、背景にはパウロが体験した様々な出来事があり、その体験を通して得たキリストへの信仰の恵みが語られているのです。

断食問答

ルカによる福音書からの説教を続けておりますが、本日箇所の5章33節に入りますと「人々はイエスに言った。『ヨハネの弟子たちは度々断食し、祈りをし、ファリサイ派の弟子たちも同じようにしています。しかし、あなたの弟子たちは飲んだり食べたりしています。』」と、唐突な入り方をしています。そして、その中心テーマは「断食」です。因みに直前の段落(前回の説教箇所)では、“罪人と共に食事をすること”が挙げられていました。すなわち、この両者共に食事を巡っての事柄です。さらに前後二つの段落の“流れ”から見ても、本日箇所は前の段落から続いている一つの大きな段落である、と言われています。さらにもう一つ、この大きな段落は、共観福音書すべてに共通している、“大きな問答集の中の一コマ”でもあります。

主と共なる生と死

パウロは「(8〜9節)わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない。」というように、イエス・キリストを信じて生きる者は、たとえ途方に暮れるような、八方塞がりの事態が起きても絶望しなくて良いのだ、主の助けがあって必ず出口があるのだ、苦難があっても決して見捨てられた訳ではない、打ち倒されたように思えても起き上がれないほどに決定的なことではないのだ、キリストにつながってさえいれば、必ず再び立ち上がって歩みだすことができるのだと語りかけているのです。

エフェソの信徒への手紙

心の目を開けて

今朝はエフェソの信徒への手紙1章にある「パウロの祈り」の言葉を通して神に聞いていきたいと思います。パウロは、今朝の聖書箇所の前の部分で、神の恵みの豊かさや素晴らしさを讃え、真理の言葉、すなわち救いをもたらす福音を聞いて神を信じ、キリストに希望を置いて生きる者は神の栄光を讃えて生きるのだと、格調高い賛美の言葉を語っています。そしてその後で今朝の御言葉の祈りの言葉が続くのです。パウロは神の力と御業を賛美しながら祈っているのです。

罪びとを招く主

本日の説教箇所は、主イエスさまが自ら出て行って、徴税人のレビを招いて弟子とされる出来事から始まっております。なお、この記事は共観福音書すべてにありまして、マタイによる福音書9章9~13節、そして、マルコによる福音書では2章13~17節にあります。ときにはこれらも参考にしながら、ルカによる福音書ならではの独特で、豊かなメッセージをご一緒に聞き取って参りましょう。

人生の堅固な足場

まずこの手紙が二度目の手紙であることを示してから、この手紙を書いた目的を語っています。それは「(1節)あなたがたの記憶を呼び起こして、純真な心を奮い立たせたいから」「(2節)また聖なる預言者たちがかつて語った言葉(旧約聖書全体)と、あなたがたの使徒たちが伝えた、主であり救い主である方の掟(イエスの福音)を思い出してもらうため」だと言います。あなた方が信仰に入った時の純真な心を思い出し、教えられていたことをもう一度思い起こして主の再臨を待ち望む生活をしてほしいということです。