使徒言行録

神の偉大な業

使徒言行録 2章1~13節 牧師 常廣澄子           本日はペンテコステ(聖霊降臨)を感謝する礼拝です。一般的に、このペンテコステ(聖霊降臨)は教会の誕生にあたると言われていますが、それは歴史的、年代記的な意味ではなく、信じる者の集まりである教会というものの成り立ちの根本的な意味で言われているのです。聖霊降臨という言葉だけを聞いていますと、なんだか大変古めかしい神話のように思われるかもしれませんが、使徒言行録の聖霊降臨の出来事には、今の私たち人間世界にとって、大変素晴らしい神の恵みが語られています。この出来事が今の私たちにどのような事を語っているのか、見ていきたいと思います。

主イエスを信じなさい

使徒言行録 16章25~34節 パウロは大きくまとめて三回の伝道旅行をしました。今の時代に旅行といえば、誰にとっても気分がリフレッシュされる楽しい時ですが、パウロの時代の旅行、しかもイエスの福音を宣べ伝えながらの旅行は決して楽しく楽なものではなかったと思います。今のように便利な交通手段はありませんし、宿泊場所にしても食べ物にしても、どんなに大変で困難な旅だったことでしょうか。また各地を巡りながらの伝道旅行は、パウロが語るキリストの福音を受け入れ、信じて救われる人が起こされる場合もあれば、逆に福音に反対してパウロたちを迫害する人たちもいました。

話は夜中まで

聖書にはいろいろなことが書いてありますが、居眠りをして3階の窓から落ちて死んでしまった人のことが書かれているのはここだけです。彼の名前はエウティコ(口語訳ではユテコ)。まるで女の子のように可愛い名前ですから、一度聞いたらきっと忘れられないと思います。彼はパウロの説教を聞いているうちに眠くなってしまい、三階の窓にもたれかかってぐっすり眠ってしまったようです。こっくりこっくり舟をこいでいて、とうとうそこから下に落ちてしまったというのです。

主の霊が降る

「聖霊降臨節」(ペンテコステ)と呼ばれる特別のお祝いの日です。ペンテコステというのは五十日目という意味のギリシア語で、過越祭から五十日目に当たる収穫感謝を祝う祭り(五旬祭)だったからです。そしてそれは過越祭、仮庵祭と並ぶ三つの重要な祭りの一つでした。ただ過越祭、仮庵祭が一週間続くのに対して、五旬祭はたった一日の祭りでした。今朝はその五旬祭の日に起きた聖霊降臨の出来事をみ言葉から聞いていきたいと思います。

わたしの霊をすべての人に

本日は聖霊降臨の記念日、ペンテコステ礼拝です。クリスマスというイエス・キリストの降誕を祝う行事は世界中の人々に知られていますが、ペンテコステはほとんどの人が知らないでいます。考えてみますとこれは非常におかしいことです。父なる神がお遣わしになった「もう一人の助け主」であられる聖霊が降臨されたことは、少なくとも教会にとっては、救い主イエス・キリストがこの世に誕生されたことに匹敵するほどの大きな出来事だからです。